ジェームズ・ハーデン中心のチームから一気に再建モードに入ったヒューストン・ロケッツの2021-22シーズンの展望をご紹介します。
2020-21シーズン:振り返り
シーズン勝敗 | 17勝55敗(勝率.236) |
プレーオフ結果 | 未出場 |
OFF RATING | 107.1(27th/30) |
DEF RATING | 114.9(27th/30) |
NET RATING | -7.8(27th/30) |
9年間在籍した現役最高のスコアラーの1人であるジェームズ・ハーデンを放出し、ロケッツは若手主体の再建モードに入った。トレードで獲得したヴィクター・オラディポはチームを早々に離れたものの、不良債権とみられていたジョン・ウォールは平均20.6点、6.9アシストと及第点の成績を残し、まだスターターレベルで活躍できることを証明した。また、ドラフト外からスターターになったクリスチャン・ウッドは、怪我に苦しみながらもほぼダブルダブルの成績を残し、攻守でチームの支柱となれる可能性を示した。
さらにクリーブランド・キャバリアーズからタダ同然で獲得したケビン・ポーターJr.は23試合に先発出場し、平均16.6点、6.3アシストとドラフト時に注目されたポテンシャルを発揮した。また、ディフェンス面で頭角を示したジャイショーン・テイトはドラフト外からオールルーキー1stチームに選ばれた。さらにドラフト52位のケニョン・マーティンJr.は急激な成長をみせ、ベンチからの得点源として貴重な働きをした。
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https://www.youtube.com/watch?v=OBySX6FWe_U
2021-22シーズン:プレビュー(2021年9月12日時点)
開幕ロスター
r:ルーキー tw:2way契約 ( ):怪我
PG | ジョン・ウォール | DJ・オーガスティン |
SG | ケビン・ポーターJr. | デイビッド・ヌワバ ジョシュ・クリストファー(r) キリ・トーマス |
SF | ジェイレン・グリーン(r) | エリック・ゴードン ダヌエル・ハウス ケニョン・マーティンJr. |
PF | ダニエル・タイス | ジェイショーン・テイト ウスマン・ガルーバ(r) |
C | クリスチャン・ウッド | アルペレン・シェングン(r) マシュー・ハート(r)(tw) |
ロケッツは2021年ドラフト2位でジェイレン・グリーンを、16位でトルコリーグMVPで「ネクスト・ヨキッチ」ともいわれるアルぺレン・シェングンを指名した。この2人に加えてケビン・ポーターJr.、ケニョン・マーティンJr.、ジャイショーン・テイトとロケッツには3年目以下の高いポテンシャルをもつ若手が揃っている。また、クリスチャン・ウッドはオールラウンドなアスレチックビッグマンとして頭角を表しており、インサイドの核としての活躍が期待される。
ベテランのジョン・ウォールとエリック・ゴードンは第一線級で働けるということを証明しているが、どちらもチーム構想には入っておらず、ウォールについては「今季ロケッツではプレーしない」ことが確定したとの報道がなされている。ウォールもゴードンも放出されることは間違いないだろうが、両人とも高額な契約に加えて怪我の影響が不安視されることからトレード先を探すことは簡単なことではないだろう。
ロケッツは再建中だが有望タレントが集まっており、再建は思いのほか早く進む可能性がある。特にケビン・ポーターJr.、ジェイレン・グリーン、クリスチャン・ウッドの3人が噛み合えば、なかなか厄介なチームになる可能性もある。癖の強い若手スター候補が噛み合えばプレーオフ戦線に絡む可能性もあるが、逆にチームが空中分解する危うさも孕んでいる。
注目選手:ジェイレン・グリーン

有望な若手を育成することを目的として設立されたGリーグ・イグナイト出身の初のNBAプレーヤー。イグナイトでは平均17.9点、4.1リバウンド、2.8アシストを記録した。FG成功率46.1%、3P成功率36.5%と高いシュート成功率を記録し、フィジカルとテクニックを併せ持っている。
ケビン・ポーターJr.とウイングでコンビを組むことになるが、ボールシェアの問題は残る。また、非常に向上心が高くそれが際どい発言につながることもある。ポーターJr.も素行不良でドラフト順位を落としキャバリアーズを放出されたことを考えると、彼らのケミストリー構築は繊細なものになりそうだ。