ファイナル進出からプレーオフ1回戦敗退という汚名返上を目指すマイアミ・ヒートの2021-22シーズンの展望をご紹介します。
2020-21シーズン:振り返り
シーズン勝敗 | 40勝32敗(勝率.556) |
プレーオフ結果 | プレーオフ1stラウンド敗退 |
OFF RATING | 111.2(18th/30) |
DEF RATING | 111.2(7th/30) |
NET RATING | +0.0(16th/30) |
2019-20シーズンに予想外のファイナル進出を果たしたヒートだが、2020-21シーズンは苦戦を強いられ、カンファレンス6位でプレーオフ進出するも1回戦で敗退した。エースのジミー・バトラーは平均21.5点、6.9リバウンド、7.1アシスト、2.1スティールと攻守で鬼気迫る活躍をし、もう1つの軸であるバム・アデバヨも平均18.7点、9.0リバウンド、5.4アシスト、1.2スティールと、オールラウンドに高いプレーをみせた。
しかし、ファイナル進出に貢献したジェイ・クラウダー移籍の穴は大きく、代わりに獲得したアンドレ・イグダーラとヴィクター・オラディポは本来のプレーを発揮できなかった。また、タイラー・ヒーローとケンドリック・ナンの若手コンビは安定感を欠いたことで、2019-20シーズンほどのインパクトは残せなかった。
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https://www.youtube.com/watch?v=CmzJfg7ZNGg
2021-22シーズン:プレビュー(2021年9月18日時点)
開幕ロスター
r:ルーキー tw:2way契約 ( ):怪我
PG | カイル・ラウリー | ゲイブ・ビンセント マーカス・ギャレット(r)(tw) |
SG | ジミー・バトラー | タイラー・ヒーロー (ヴィクター・オラディポ) DJ・スチュアート(r) |
SF | ダンカン・ロビンソン | マーキーフ・モリス マックス・ストラス ケイレブ・マーティン(tw) |
PF | PJ・タッカー | KZ・オクパラ ユドニス・ハスレム |
C | バム・アデバヨ | ドウェイン・デッドモン オマール・ユートセブン |
オフシーズンに入るとヒートは早々にジミー・バトラーと契約し、バトラーとバム・アデバヨを中心にとしたチームを維持することに成功した。さらに、カイル・ラウリー、マーキーフ・モリス、PJ・タッカーと優勝経験がある実力者を獲得し、3Pシュートを史上最速で500本決めたダンカン・ロビンソンと高額契約を結んだ。一昨年にファイナル進出を果たしたチームを維持しつつ、周りを固めたイメージだ。
ヒートの強みはディフェンスにある。昨シーズンはリーグ7位のディフェンス・レーティングだったが、そこにラウリーとタッカーが加入したことでより守備に磨きがかかるだろう。さらにヴィクター・オラディポが万全の状態で復帰できればディフェンス力はより強力なものになるだろう。
ただし、アデバヨとヒーロー以外の主力は多くが30代で、特にラウリーとタッカーはキャリア終盤を迎えている。
優勝を目指すには主力が健康にプレーできるかが重要であり、プレータイムの調整は必要になるだろう。また、全体的に控えが薄く、2way契約からNBA当落線レベルの選手が多い印象だ。特にゴラン・ドラギッチとケンドリック・ナンを放出したPGの補強は必須だ。
ヒートが2021-22シーズンの優勝候補の一角であることには間違いないが、ネッツやセルティクスなどと対戦することを考えると、イースタンを勝ち上がることは簡単ではなさそうだ。
注目選手:PJ・タッカー

ミルウォーキー・バックスの50年ぶりの優勝の立役者であるPJ・タッカーが、バックスとの優勝争いが予想されるヒートに移籍した。優勝へのラストピースとしてシーズン後半にバックスへ加入したタッカーだが、プレーオフでは平均4.3点、4.8リバウンド、1.1アシストという数字を残した。
タッカーは36歳とキャリア終盤を迎えているが、アンダーサイズながらフィジカルの強さとブルーワークを厭わない精神的な強さを武器に貴重なディフェンス要員として期待されている。昨シーズンのプレーオフではケビン・デュラントやジミー・バトラーとのマッチアップを任させ、ペリメーターではシュート成功率を平均して5%以上下げている。ヒートが優勝するためにはイースタンの強豪であるバックスやネッツを倒す必要があり、タッカーにはヤニス・アデトクンボやデュラントらリーグ有数のスコアラーとのマッチアップが期待される。