「ポスト・レブロン」の有力候補であるザイオン・ウィリアムソンを中心に、プレーオフ進出を目指すニューオリンズ・ペリカンズの2021-22シーズンの展望をご紹介します。
2020-21シーズン:振り返り
シーズン勝敗 | 31勝41敗(勝率.431) |
プレーオフ結果 | 未出場 |
OFF RATING | 113.5(12th/30) |
DEF RATING | 113.8(22nd/30) |
NET RATING | -0.3(18th/30) |
ザイオン・ウィリアムソン、ブランドン・イングラム、ロンゾ・ボールの若手コアを揃えて臨んだ2020-21シーズンはプレーオフ進出が期待されていたが、チームは勝ちきれずにプレーオフ進出を逃した。ザイオンがオフシーズンに減量に励み、比較的健康にシーズンを過ごしたということだろう。ザイオンの得点効率は既にリーグ最高レベルであり、期待に違わない爆発的な身体能力とガード並みのハンドリング技術をみせた。
しかし、チームとしての完成度は高いとはいえなかった。
スタン・バンガンディHCの戦略はオフェンス面では一定の効果を出したが、個人スキルに頼る部分が多く、チームとしての連携は上手くいかなかった。また、シーズン前にディフェンス向上をテーマにしていたが、結果的にディフェンス・レーティングはリーグ22位と厳しい数字となった。
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2021-22シーズン:プレビュー(2021年9月19日時点)
開幕ロスター
r:ルーキー tw:2way契約 ( ):怪我
PG | デボンテ・グラハム | トーマス・サトランスキー カイラ・ルイスJr. ホセ・アルバラード(r)(tw) |
SG | ニッケル・アレクサンダー・ウォーカー | ジョシュ・ハート ギャレット・テンプル ディディ・ロウザダ |
SF | ブランドン・イングラム | トレイ・マーフィー三世(r) ナジー・マーシャル ハーバート・ジョーンズ(r) |
PF | ザイオン・ウィリアムソン | ウェニエン・ガブリエル ドルトン・ホームズ(tw) |
C | ヨナス・ヴァランチュナス | ジャクソン・ヘイズ ウィリー・エルナンゴメス |
ペリカンズはオフシーズンに移籍したロンゾ・ボールの後任として、スコアリングPGのデボンテ・グラハムと契約した。さらに、昨シーズンに平均17.1点、12.5リバウンドという成績を残し、インサイドのスペースを作ることができるヨナス・ヴァランチュナスを獲得した。また、ドラフトでは3&Dとしての成長が期待されるトレイ・マーフィー三世を指名し、ザイオン・ウィリアムソンのためのチームを作ったといって良いだろう。
圧倒的な突破力を持つザイオンを中心に3&Dが期待できる選手を周囲に配置したチーム構成は、昨シーズンに優勝を果たしたバックスと似ている。ただし、チームとしての成熟度はバックスとは比較にならないため、結果が出るまでに時間がかかりそうだ。
ペリカンズはウィリー・グリーンを新HCに起用し、コンサルタントとしてマイク・ダントーニをチームに加えた。オフェンスはこれまで以上に磨きがかかると思われるが、課題のディフェンスをどのように構築するかが大きなポイントになりそうだ。ペリカンズはザイオンの契約が残る2022-23シーズンまでに結果を残す必要があり、負けが混むようであればブランドン・イングラムなどの主力放出もありえるだろう。
注目選手:ニッケル・アレキサンダー・ウォーカー

NBA3年目を迎えるニッケル・アレキサンダー・ウォーカーは、今季の飛躍が期待されている1人だ。
ウォーカーは、サンダーでブレイクが期待されるシェイ・ギルジャス・アレキサンダーの従兄弟で、シェイ同様に高いシュート力とパスセンスを兼ね備えている。20〜30点を獲ることが出来る爆発力を持っており、ディフェンス面でも才能を感じさせている。
2020−21シーズン終盤にスターターに定着し、オールスター後は平均15.4点、4.3リバウンド、2.7アシストを記録している。特に3P成功率は 38.0%とシーズン前半から7.4%も向上させ、急速な成長をみせた。地元で期待されている選手の1人ではあるが、現場はウォーカー自身の活躍とチームの勝利が結びついていない。ザイオンとの相性は悪くないだけに、ウォーカーがアウトサイドで核になれればペリカンズは面白い存在になりそうだ。