2019−20シーズンのバブルでの勢いそのままに、NBAファイナルまで駆け上がったフェニックス・サンズの2021-22シーズンの展望をご紹介します。
2020-21シーズン:振り返り
シーズン勝敗 | 51勝21敗(勝率.708) |
プレーオフ結果 | ファイナル敗退 |
OFF RATING | 117.2(5th/30) |
DEF RATING | 111.3(9th/30) |
NET RATING | +5.9(3rd/30) |
2019−20シーズン終盤のバブル(隔離エリア)で8連勝を達成したサンズは、その勢いそのままに挑んだ2020-21シーズンは周囲の予想を超えるNBAファイナル進出を果たした。
エースのデビン・ブッカーは平均25.6点、4.2リバウンド、4.3アシスト、FG成功率は48.4%と期待通りの数字を残し、歴代屈指の司令塔であるクリス・ポールは若いチームを老獪なプレーで牽引した。2年前にはリーグ最下位レベルだった守備をモンティ・ウィリアムズHCが立て直したこともサンズ成功の要因だった。また、2018年ドラフト1位指名のディアンドレ・エイトンが、ブッカーとポールに次ぐ「チーム3番目の男」に成長したことは大きな収穫だった。
惜しくもファイナル敗退となったサンズだが、ファイナル初戦でダリオ・サリッチが右膝前十字靱帯の断裂で戦線を離れたことが残念な点だ。サリッチが健康であればバックスのオフェンスを封じられた可能性もあり、ファイナルの結果は違ったものになっていたかもしれない。
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https://www.youtube.com/watch?v=c-Ab3wnWusw
2021-22シーズン:プレビュー(2021年9月20日時点)
開幕ロスター
r:ルーキー tw:2way契約 ( ):怪我
PG | クリス・ポール | キャメロン・ペイン エルフリッド・ペイトン |
SG | デビン・ブッカー | ランドリー・シャメット タイ・ション・アレキサンダー(tw) |
SF | ミカル・ブリッジズ | キャメロン・ジョンソン アブドゥル・ネイダー |
PF | (ダリオ・サリッチ) | ジェイ・クラウダー ジェイレン・スミス |
C | ディアンドレ・エイトン | ジャベール・マギー フランク・カミンスキー |
長年の低迷から一気にNBAの強豪に名乗りを上げたサンズは、オフシーズンに入るとチームを牽引したクリス・ポールと再契約に漕ぎつけた。ポールは36歳とキャリア終盤を迎えているが、現在のロスターを維持できるのが2年程度であることを考えると、サンズは今後2年で優勝を目指していくということだろう。キャリア終盤に入っているポールは優勝を目指して移籍すると予想されていたが、若手時代から接点があるモンティ・ウィリアムズHCとの関係性は良好で、サンズで優勝を目指すことができる手応えを感じているのかもしれない。
さらに、昨年プレーオフで評価を上げたキャメロン・ペインと再契約したことに加え、3番手PGとしてプレーメイクとディフェンスで貢献できるエルフリッド・ペイトン、エイトンの控えとしてスクリーンとディフェンスで貢献できるジャベール・マギーと契約した。また、3Pシューターとして期待できるランドリー・シャメットを獲得し、昨シーズンのコアメンバーを維持したままで、スポットで活躍できるプレーヤーを補強できたことは良い動きだといえるだろう。
引き続きダリオ・サリッチが全休予定であり、ポールの年齢なども不安材料ではある。
しかし、デビン・ブッカーやディアンドレ・エイトンはまだ全盛期を迎えておらず、彼らを支えるロールプレーヤーも適切に補強した。優勝を狙うのは簡単でないが、サンズは2年連続ファイナル進出できるだけの戦力は持っているといえるだろう。
注目選手:ディアンドレ・エイトン

ディアンドレ・エイトンは、球団史上初の1位指名選手として2018年にNBA入りした。
2020−21シーズンは69試合に出場して平均14.4点、10.5リバウンド、1.2ブロックと及第点の数字を残しており、FG成功率は62.6%を記録している。数字自体は2019-20シーズンよりも下がったが、スクリナーとして非常に優秀であり、デビン・ブッカーやクリス・ポールとの相性も悪くない。ドラフト1位指名選手ながらアンセルフィッシュなプレースタイルで、インサイドでの泥臭いブルーワークも嫌がらない「縁の下の力持ち」として質の高いプレーが期待できる。
エイトンはフィジカルの強さとアスレチック能力の高さだけでなく、確かなバスケット技術を持っている。まだ23歳と若く、アウトサイドの核である24歳のブッカーとともにチームを長く牽引していくことが期待できる。
しかし、能力が高い若手が多く在籍するサンズは数年後には契約問題を抱えることとなるため、今後2年以内に優勝したいというのがフロントの本音だろう。そのためにはエイトンの更なる飛躍が不可欠だ。