長年チームの指揮を執ったテリー・ストッツHCを解任し、新たにチャンシー・ビラップスをHCに据えて挑むポートランド・トレイルブレイザーズの2021-22シーズンの展望をご紹介します。
2020-21シーズン:振り返り
シーズン勝敗 | 42勝30敗(勝率.583) |
プレーオフ結果 | プレーオフ1stラウンド敗退 |
OFF RATING | 117.8(2nd/30) |
DEF RATING | 116.0(29th/30) |
NET RATING | +1.8(12th/30) |
カーメロ・アンソニーと単年契約を結び、ロバート・コビントンやエネス・カンターを加えて挑んだ2020-21シーズンだったが、ブレイザーズは2年連続プレーオフ1回戦敗退という結果に終わった。リーグ屈指のバックコートであるデイミアン・リラードとCJ・マッカラムは健在ながら、ザック・コリンズやロドニー・フッドは怪我で満足にプレーできず、元々良いとはいえなかったディフェンスはリーグ最下位レベルに沈んだ。
2019−20シーズン終盤に開花したゲイリー・トレントJr.との再契約は難しいと判断したフロントは、トレードデッドラインでラプターズへトレントJr.を放出。代わりにシューターとして高く評価されているノーマン・パウエルを獲得した。しかし、バックコートのディフェンス改善には繋がらず、現体制の限界を感じるシーズンとなってしまった。
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https://www.youtube.com/watch?v=ZFZmQSQ1cm8
2021-22シーズン:プレビュー(2021年9月23日時点)
開幕ロスター
r:ルーキー tw:2way契約 ( ):怪我
PG | デイミアン・リラード | アンファニー・サイモンズ クイン・クック |
SG | CJ・マッカラム | ベン・マクレモア トニー・スネル CJ・エレビー |
SF | ノーマン・パウエル | ナシール・リトル トレンドン・ワットフォード(r)(tw) |
PF | ロバート・コビントン | ラリー・ナンスJr. パトリック・パターソン グレッグ・ブラウン(r) |
C | ユスフ・ヌルキッチ | コディ・ゼラー マーキーズ・クリス |
オフシーズンに入るとブレイザーズは9年間指揮をとったテリー・ストッツHCを解任し、後任としてチャンシー・ビラップスが新 HCに就任した。ビラップスHCは選手としてピストンズで優勝しているがHCとしては新人であるため、指導者としての実力はまだ未知数だ。しかし、既にオフェンスではアップテンポなペース&スペースを軸にする意向を示しており、その戦術を想定した補強を行なっている。
ロスターについては昨シーズン中に加入したノーマン・パウエルと再契約し、スクリナーとして起用できるコディ・ゼラー、控えの3&Dとしての役割が期待されるトニー・スネル、シューターとして計算できるベン・マクレモアらと契約。また、ラウリー・マルッカネンのトレードに付随してラリー・ナンスJrを獲得した。機動力があり、P&Rのスクリナーとしても優秀なナンスの獲得は非常に良い補強になりそうだ。カーメロ・アンソニー、ザック・コリンズ、エネス・カンターといった主力選手がチームを去ったが一貫性がある補強で、チームの全体的な戦力バランスは良くなった。
ベン・シモンズ獲得も噂されるが、今のところはデイミアン・リラードとCJ・マッカラムの2大エース体制を維持する方向で動いている。オフボールの動きが重要になるビラップスHCの戦術浸透度にもよるが、戦力面で上回るウエスタン上位陣を脅かす可能性は十分にある。しかし、プレーオフ進出以上を狙うためにはディフェンスシステムの構築は大きな課題となりそうだ。
注目選手:ラリー・ナンスJr.

初代ダンク王の息子であるラリー・ナンスJr.は、父親譲りの高い身体能力を持っておりSF〜Cでプレーすることができるビッグマン。2020−21シーズンはキャバリアーズで35試合に出場して平均9.3点、6.7リバウンド、3.1アシスト、1.7スティールという数字を残している。3Pシュートも36.0%というシュート成功率を誇っており、スペーシングでも期待できるだろう。
ナンスJr.の魅力は身体能力やシュート力だけでなく、オフボールでのプレーが高く評価されている。オフェンスではスクリナーとして優秀でデイミアン・リラードやCJ・マッカラムとの相乗効果が期待できる。ディフェンスではP&Rへの対応が上手く、リーグ最低レベルに沈んだディフェンスでも大きな役割を果たしそうだ。
また、ナンスJr.の加入によって3&Dとして貴重な戦力となっているロバート・コビントンを柔軟に起用することができるようになり、ナンスJr.の出来はブレイザーズにとって大きなキーポイントになりそうだ。