有望な若手選手を揃えながら、15年連続でプレーオフ進出を逃しているサクラメント・キングスの2021-22シーズンの展望をご紹介します。
2020-21シーズン:振り返り
シーズン勝敗 | 31勝41敗(勝率.431) |
プレーオフ結果 | 未出場 |
OFF RATING | 113.6(11th/30) |
DEF RATING | 117.2(30th/30) |
NET RATING | -3.7(24th/30) |
キングスは2018-19シーズンには39勝43敗とプレーオフ進出まであと一歩迫るも、その後2年間は勝ち星を減らし、15年連続でプレーオフを逃す結果となった。オフシーズンにMAX契約を結んだディアロン・フォックスは平均35.1分の出場で25.2点、3.5リバウンド、7.2アシスト、1.5スティールというオールスター級の活躍をし、6年目のリショーン・ホームズは平均14.2点、8.3リバウンドと自己最高のシーズンを過ごした。2020年ドラフト12位のタイリース・ハリバートンも平均13.0点、3.0リバウンド、5.3アシスト、1.3スティールとラメロ・ボールやアンソニー・エドワーズと新人王候補を争う活躍を見せた。
フォックスやハリバートンを中心に若手が躍動したことでオフェンスはリーグ11位と期待以上の数字を残しが、ディフェンスはリーグ最下位と散々な結果に終わり、引き続き課題を残すシーズンとなった。
スマホでの動画閲覧はコチラから ⇒
https://www.youtube.com/watch?v=Zfb4bVJs1h0
2021-22シーズン:プレビュー(2021年9月24日時点)
開幕ロスター
r:ルーキー tw:2way契約 ( ):怪我
PG | ディアロン・フォックス | デイビオン・ミッチェル(r) |
SG | タイリース・ハリバートン | バディ・ヒールド テレンス・デイビス ジャマイアス・ラムジー |
SF | ハリソン・バーンズ | モーリス・ハークレス ロバート・ウッダード二世 ルイス・キング(tw) |
PF | リショーン・ホームズ | マービン・バグレー三世 チメジー・メトゥ |
C | トリスタン・トンプソン | アレックス・レン デイミアン・ジョーンズ ネミーアス・ケイタ(r)(tw) |
キングスはオフシーズンに入ると、昨年インサイドでブレイクしたリショーン・ホームズと再契約した。さらにトレードで優勝経験があるトリスタン・トンプソンを獲得。トンプソンはチームの長期構想に入っていないことは明白でいつ放出されてもおかしくはないが、経験豊富なベテランの加入はプレーと精神の両面で若いチームを支えることができるだろう。
また、ドラフト12位でNCAA制覇を果たしたベイラー大のエースで、オフェンスでもディフェンスでも高い評価を得ているデイビオン・ミッチェルを指名した。ディアロン・フォックス、タイリース・ハリバートンと有望な若手がいるPGがいるにも関わらずミッチェルを指名したことには疑問もあるが、エキサイティングなバックコートになりそうだ。
フォックス、ハリバートン、ミッチェルのバックコートは魅力的だが、依然としてチームは不安定な状態にある。
バディ・ヒールドやマービン・バグリー三世はトレード要求していると報道されており、シーズン中に放出に動く可能性も低くない。また、チーム最大の懸念事項は結果を出せていないルーク・ウォルトンHCの処遇だ。チームは頑なにウォルトンHC路線を継続しているが、新人HCを除くとESPNのヘッドコーチランキングで圧倒的最下位にランクインされるほど評価は低い。AC時代には選手育成が評価されたが、負けが混むようであればシーズン中の交代もあり得るだろう。
新世代のエース級のガード陣に、ハリソン・バーンズ、ホームズ、トンプソンという布陣は悪くなく、6thマンとしてヒールドが残留すればキングスは面白い存在になるだろう。しかし、HC交代も含めて、チームの核を誰にするかを見極めていくシーズンになりそうだ。
注目選手:デイビオン・ミッチェル

ベイラー大をNCAA制覇に導いたデイビオン・ミッチェルは、大学で4年間プレーしたことでスキル面と精神面の両方で即戦力として期待されている。身長と年齢でドラフト時の評価を下げたが、サマーリーグでMVPに選出され、NBAレベルでも通用することを証明したといえるだろう。ミッチェルはシュート力とパスセンスを兼ね備えており、大学時代には所属するBIG12で最優秀守備選手を受賞した経験もあるほどのディフェンス力も持っている。サイズの問題はあるが運動量が豊富で、相手のプレーを読む力に長けていることからカイル・ラウリーと比較されることも多い。
ミッチェルはリーグ屈指の2wayプレーヤーになれる可能性があるが、キングスにはディアロン・フォックスやタイリース・ハリバートンといった有望な若手PGが既に在籍している。若手にとってプレータイムは成長に直結する要素であるため、バックコートのプレータイム配分と起用法はかなり繊細な問題になりそうだ。