2020-21シーズンにリーグ最高勝率を残し、主力メンバーを残しつつロスター強化を果たしたユタ・ジャズの2021-22シーズンの展望をご紹介します。
2020-21シーズン:振り返り
シーズン勝敗 | 52勝20敗(勝率.722) |
プレーオフ結果 | カンファレンス・セミファイナル敗退 |
OFF RATING | 117.6(3rd/30) |
DEF RATING | 108.3(4th/30) |
NET RATING | +9.3(1st/30) |
2020−21シーズン前のユタ・ジャズの期待値は高くなかった。しかし、蓋を開けてみると心配されたルディ・ゴベアとドノバン・ミッチェルの確執もなく、リーグ最高勝率でレギュラーシーズンを終えた。
次世代スターの1人であるミッチェルは平均26.4点、4.4リバウンド、5.2アシストとオールスター出場に恥じない成績を残し、プレーオフでも鬼神の活躍をみせ、名実ともにNBAを代表する選手の1人となった。
また、オフェンスの中心であるミッチェルと、ディフェンスの中心であるゴベアいう2人のエースの周囲にボーヤン・ボグダノビッチやジョー・イングルスといったシューターを配置し、コートを広く使う戦術でリーグ3位のオフェンス力をみせた。特に6thマン賞に輝いたジョーダン・クラークソンのオフェンス面での貢献は大きく、平均18.4点、FG成功率42.5%、3P成功率34.7%という成績を残してチームの2ndオプションとなった。
また、一昨年には精彩を欠いたマイク・コンリーも3P成功率41.2%という成績を残し、14年目にしてで初のオールスターに選出された。
ゴベアを中心とするディフェンスでもリーグトップクラスの成績を残しており、ロイス・オニールとミエイ・オニといった両ウイングが大きな貢献を果たした。
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2021-22シーズン:プレビュー(2021年9月30日時点)
開幕ロスター
r:ルーキー tw:2way契約 ( ):怪我
PG | マイク・コンリー | ジャレッド・バトラー(r) トレント・フォレスト(tw) |
SG | ドノバン・ミッチェル | ジョーダン・クラークソン ミエイ・オニ マシオ・ティーグ(r) |
SF | ロイス・オニール | ジョー・イングルス イライジャ・ヒューズ |
PF | ボーヤン・ボグダノビッチ | ルディ・ゲイ エリック・パスカル ジャレル・ブラントリー |
C | ルディ・ゴベア | ハッサン・ホワイトサイド ユドカ・アズブーキー |
オフシーズンに入ると昨シーズンにチームに貢献したジョージ・ニヤンとデリック・フェイバーズを放出したものの、ベテランPGのマイク・コンリーと再契約を果たして昨シーズンのチームを維持した。
さらにインサイドの補強としてフィジカル面でインサイドを支えることができるエリック・パスカルと、肉体派センターのハッサン・ホワイトサイドを獲得した。パスカルは体格に似合わないスピードを持っており、リーグ屈指のディフェンダーであるルディ・ゴベアと併用することもできる。ホワイトサイドについてはゴベアの控えとしての起用が中心となるが、リムプロテクターとしては非常に優秀で、バスケットIQに改善がみられれば大な戦力になるだろう。また、3Pシュートが打て、攻守で安定した活躍が期待できるベテランのルディ・ゲイとも契約した。
ニヤンとフェイバーズ以外に主力流出もなく、ジャズは昨年のチーム方針をさらに進化させることができる布陣を揃えたといえる。厳格なコーチングスタイルとディフェンスを重視するクイン・スナイダーHCの指揮がより浸透すれば、プレーオフ・セミファイナル敗退という結果に終わった昨シーズン以上の成績は十分に狙えそうだ。
注目選手:ハッサン・ホワイトサイド

NBAで10シーズン目を迎えるハッサン・ホワイトサイドは32歳のビッグマンで、昨年は36試合に出場して平均15.2分の出場で8.1点、6.0リバウンド、1.3ブロックを記録している。特にリバウンドとブロックに優れており、36分換算のスタッツではオールスター級だ。
しかし、バスケットIQやセルフィッシュさがあることが課題とされており、得意のディフェンスでも軽率なプレーミスが少なくない。また、コーチングスタッフと揉めた経験もあり、厄介者というイメージも強い。課題とされるバスケットに対する意識やプレースタイルが改善できなければ厳格なコーチングスタイルを敷くクイン・スナイダーHCの信頼を失う可能性もあるが、安定した活躍が期待できるようであればルディ・ゴベアの控えとして貴重な戦力となるだろう。