【コラム】もっとマニアックに楽しむための「NBA Stats」のススメ

    NBAを楽しむうえで試合を見るというのはもちろんですが、それ以外にも楽しみ方は幾つもあります。毎年発売される公式ゲームソフト「NBA2K」でNBAプレーヤーを操作したり、雑誌を買ったり、友人とNBA談義に花を咲かすのも非常に楽しい時間です。

    そんな色々な楽しみ方があるNBAですが、NBA(に限らず米国プロスポーツ全般にいえることですが)をより楽しむ1つの要素としてスタッツがあります。

    目次

    NBAにおけるスタッツの役割

    スタッツとはNBAが公表しているチームや選手の詳細な試合データです。得点・アシスト数・リバウンド数などの基本的な数字はもちろん、「ある選手がアシストして得点に結びついた平均得点」や「ディフェンス時にマークマンにタフショット(難しいシュート)を打たせた回数」など、かなり細かく選手のプレーがデータ化されています。

    スタッツの重要性は実際のNBAのチーム運営にも活用されています。 スタッツによるデータ経営が注目されたメンフィス・グリズリーズでした。2000年代半ばまで弱小チームだったグリズリーズは、いち早く選手の貢献度を定量的に分析し、チーム運営に活かすことで強豪になりました。

    ヒュービー・ブラウンHCのもとで初めてプレーオフ進出を果たした2003-04シーズン以来、グリズリーズは非常にデータを重要視したチーム運営を行ってきた。マイク・コンリー、トニー・アレン、ルディ・ゲイ、ザック・ランドルフ、マーク・ガソルと良い選手ではあるがスーパースターはいないチームで、強豪ひしめくウェスタンでプレーオフ常連となった結果がデータ経営の威力を証明しています。

    スタープレーヤーとは言えないマイク・コンリーやルディ・ゲイと大型契約を結んだことはともすれば不相応な契約になる可能性がありますが、グリズリーズはチームへの貢献度を定量的なデータに落とした上で適正な契約条件を打診したといわれています。事実、現在でもコンリーやゲイはパフォーマンスを大きく落とすことなく活躍しているプレーヤーになっています。

    いち早くデータサイエンスをチーム運営の核に据えたグリズリーズの成功や、世間的にもビッグデータが一般化されたこともあり、現代では多くのチームがスタッツ(単なるボックススコアではなく、かなり細かな分析)をチーム運営の重要な指標としています。

    ビッグデータが注目される前もプロスポーツでのデータ分析はありました。MLBでの統計データの活用を描いた映画「マネー・ボール」が有名ですが、コンピューター技術の発達やデータサイエンティストの登場によって、詳細なデータ活用することが容易になったこともデータ分析がより重要になっている理由の1つです。

    グリズリーズの成功によって脚光を浴びたデータ経営ですが、ニューヨークやロサンゼルスのように豊富な資金源を持たないスモールマーケットの球団にとっては非常に重要な考え方です。スモールマーケットのチームは、その特性上スーパースターをFAで獲得することが難しく、契約額も割高になりがちです。そのためルーキーを育てていくことが基本方針になるのですが、より効率的なチーム構成が至上命題となります。客観的なデータ分析は、ピンポイントに適正な選手獲得ができる可能性を大きく高めます。

    スタッツを確認できるサイト

    NBAのスタッツは公式がかなり詳細なデータを開示しています。基本的にはすべて英語なので取っつきにくさはありますが、1度覚えてしまえば簡単に深くデータ比較ができるようになります。

    NBA Stats

    https://stats.nba.com

    チームや選手の基本的なデータはもちろん、100ポゼッション(ある行動を100回した場合)の換算や、対戦選手への影響など、かなり細かなデータが用意されています。データの豊富さと細かさ故に使い慣れるまでは少し大変ですが、NBAのスタッツを楽しむ上では必須のサイトです。 日本のNBA公式でもスタッツは公表されていますが、基本的なスタッツしか扱われていないので、英語版と比べるとかなり情報量は少ないです。

    basketball reference

    https://www.basketball-reference.com

    NBA Statsほど細かくはありませんが、基本的なデータはbasketball referenceでも確認することができます。このサイトの真骨頂は1946年からのスタッツやNCAAのデータも確認できることです。そのため、大学時代からの分析や歴代選手との比較などを考える上で参考になります。 また、NBA Statsでは探しにくいデータや、年毎のドラフト指名順やチームごとのサラリー状況など検索するのが煩雑な情報もまとまっているので、NBA Statsと併用するとより分析が楽しめます。ちなみに、こちらも英語サイトです。

    基本的なスタッツ(Traditional)

    G(ゲーム:Game)

    先発/控え出場のトータルで出場した試合数。

    GS(ゲームスタート:Game Start)

    先発で出場した試合数。

    MIN(ミニッツ:Minutes)

    出場時間。

    PTS(ポイント:Point)

    得点。

    FGM(フィールドゴールメイド:Field Goal Made)

    フィールドゴール(2Pシュートと3Pシュートの合算)の成功数。

    FGA(フィールドゴールアテンプト:Field Goal Attempt)

    フィールドゴール(2Pシュートと3Pシュートの合算)の試投数。

    FG%(フィールドゴール%:Field Goal Percentage)

    フィールドゴール(2Pシュートと3Pシュートの合算)の成功率(FGM/FGA)。

    3PM(3ポイントメイド:3point Made)

    3Pシュートの成功数。

    3PA(3ポイントアテンプト:3point Attempt)

    3Pシュートの試投数。

    3P%(3ポイント%:3point Percentage)

    3Pシュートの成功率(3PM/3PA)。

    FTM(フリースローメイド:Free Throw Made)

    フリースローの成功数。

    FTA(フリースローアテンプト:Free Throw Attempt)

    フリースローの試投数。

    FT%(フリースロー%:Free Throw Percentage)

    フリースローの成功率(FTM/FTA)。

    OREB(オフェンスリバウンド:Offence Rebound)

    自チームのオフェンス時にリバウンドを獲った数。

    DREB(ディフェンスリバウンド:Defense Rebound)

    自チームのディフェンス時にリバウンドを獲った数。

    REB(リバウンド:Rebound)

    オフェンスリバウンドとディフェンスリバウンドの合算。

    AST(アシスト:Assist)

    自分のパスが直接得点に繋がった回数。パスを受けた側がディフェンス側と駆け引きを行った場合はアシストとして記録されない。

    STL(スティール:Steal)

    オフェンス側が保持するボールを、ディフェンス側が奪った回数。パスの最中にボールをスティールした場合は「インターセプト」と呼ばれる(スティールに記録)。

    BLK(ブロックショット:Block Shot)

    相手の放ったシュート(レイアップ動作時を含む)を、手でボールに触って防いだ回数。 ボールに触っていても、得点された場合はBLKに含まれない。

    TOV(ターンオーバー:Turnover)

    シュート前に相手に攻撃権が移った回数(オフェンスファウルも含む)。

    PF(パーソナルファウル:Personal Foul)

    個人でのファウル数。

    +/-(プラス/マイナス:Plus/Minus)

    その選手が出場していた時間帯のチーム全体の得失点差。 例えば、その選手が出場中にチーム全体で20点していて、相手チームに15点取られていた場合は「+5」となる。

    詳細なスタッツ(Advanced)

    ポゼッションとは「攻撃権」のことです。もっとも基本的なスタッツは1試合あたりの平均ですが、チーム状況や試合スピードがそれぞれ異なるため、統一した基準値を設けることで比較することが容易になります。 そのために編み出された手法がポゼッションという概念で、100ポゼッション(100回攻撃権を得た場合の平均スタッツ)に換算して数字を比較することが増えています。

    OFFRTG(Offence Rating)

    100ポゼッションでの平均得点。

    DEFRTG(Defense Rating)

    100ポゼッションでの平均失点。

    NETRTG(Net Rating)

    100ポゼッションでの得失点差。

    AST%(Assist Percentage)

    その選手以外が決めたシュート数のうち、そのプレーヤーからのアシストが占める割合。

    AST/TO(Assist/Turnover)

    アシストとターンオーバーの比率。パス能力の安定感を示す。

    AST RATIO(Assist Ratio)

    100ポゼッションでのアシスト数。

    OREB%(Offence Rebound Percentage)

    その選手が出場中に、味方がオフェンスリバウンドを獲得した割合。

    DREB%(Defense Rebound Percentage)

    その選手が出場中に、味方がディフェンスリバウンドを獲得した割合。

    REB%(Rebound Percentage)

    その選手が出場中に、味方がリバウンドを獲得した割合。OREB%とDREB%の合算。

    TO RATIO(Turnover Ratio)

    100ポゼッションでのターンオーバー数。

    EFG%(Effective Field Goal Percentage)

    3Pシュートを重視し、3Pシュートに比重(1.5倍)をおいた場合のFG%。

    TS%(True Shooting Percentage)

    2Pシュート・3Pシュート・フリースローの3つのシュート試投数で得点を割り込んだ数値。すべてのシュートを合算したシュート効率。

    USG%(Usage Percentage)

    その選手のプレー(シュート、ターンオーバー)でオフェンスが終わった割合。その選手がチームのオプションとしてどれぐらい重要視されているかを示す。

    PACE(Pace)

    1試合(48分)での平均ポゼッション数。

    PIE(Player Impact Estimate)

    その選手の試合への影響度。NET RTGはチームの強弱や起用方法に左右されるため、それを考慮して計算された指標。自チームと対戦チームの総和が100になる。MVP受賞と相関関係があることから、活躍度の計算として信頼性が高いとされている。

    複数指標(Mics)

    PTS OFF TO(Points Off Tuenovers)

    相手チームのターンオーバー後に獲得した得点。

    2ND PTS(2nd  Points)

    オフェンスリバウンド後の得点。(セカンドチャンスでの得点)

    FBPS(Fast Break Points)

    ファストブレイク(速攻)での得点。

    PITP(Points in the Paint)

    ペイントエリアでの得点。

    OPP PTS OFF TO(Opponent Points Off Turnover)

    ターンオーバーから相手に許した得点。

    OPP 2ND PTS(Opponent 2nd Points)

    相手に許したセカンドチャンスでの得点。

    OPP FBPS(Opponent Fast Break Points)

    相手に許したファストブレイクからの得点。

    OPP PITP(Opponent Points in the Paint)

    ペイントエイア内で相手に許した得点。

    BLK(Blocked)

    ブロックされた数。

    BLKA(Block Against)

    対戦相手のブロック数。

    PFD(Personal Fouled)

    相手にパーソナルファウルされた回数。

    得点に関する詳細スタッツ(Scoring)

    %FGA 2PT(Percentage of Field Goal Attempt : 2 Points)

    自チームやプレイヤーのシュート試投数の内、2Pシュートが占める割合。

    %FGA 3PT(Percentage of Field Goal Attempt : 3 Points)

    自チームやプレイヤーのシュート試投数の内、3Pシュートが占める割合。

    %PTS 2PT(Percentage of Points : 2 Points)

    総得点のうち、2Pシュートが占める割合。

    %PTS 2PT MR(Percentage of Points : 2 Point Field Goul : Mid Range)

    総得点のうち、ミッドレンジでの2Pシュートが占める割合。

    %PTS 3PT(Percentage of Points : 3 Points)

    総得点のうち、3Pシュートが占める割合。

    %PTS FBPS(Percentage of Points : Fast Break Points)

    総得点のうち、ファストブレイクでの得点が占める割合。

    %PTS FT(Percentage of Points : Free Throw)

    総得点のうち、フリースローの得点が占める割合。

    %PTS OFF TO(Percentage of Points : Off Turnover)

    総得点のうち、相手チームのターンオーバーからの得点が占める割合。

    %PTS PITP(Percentage of Points : Points in the Paint)

    総得点のうち、ペイント内での得点が占める割合。

    2FGM %AST(Percent of 2 Point Field Goals Made Assisted)

    アシストから決めた2Pシュートが占める割合。

    2FGM %UAST(Percent of 2 Point Field Goals Made Unassisted)

    アシストなしで決めた2Pシュートが占める割合。

    3FGM %AST(Percent of 3 Point Field Goals Made Assisted)

    アシストから決めた3Pシュートが占める割合。

    3FGM %UAST(Percent of 3 Point Field Goals Made Unassisted)

    アシストなしで決めた3Pシュートが占める割合。

    FGM %AST(Percent of  Field Goals Made Assisted)

    アシストから決めたフィールドゴールの割合。

    FGM %UAST(Percent of Field Goals Made Unassisted)

    アシストなしで決めたフィールドゴールの割合。

    選手の起用に関するスタッツ(Usage)

    %FGM(Percentage of Field Goal Made)

    そのプレイヤーの得点が、チームの得点に占める割合。

    %FGA(Percentage of Field Goal Attempt)

    そのプレイヤーのシュート試投数が占める割合。

    %3PM(Percentage of 3 Point Made)

    そのプレイヤーの3Pシュートでの得点が、チームの3Pシュートでの得点に占める割合。

    %3PA(Percentage of 3 Point Attempt)

    そのプレイヤーの3Pシュート試投数が占める割合。

    %FTM(Percentage of 3 Point Made)

    そのプレイヤーのフリースローでの得点が、チームのフリースローでの得点に占める割合。

    %FTA(Percentage of Free Throw Attempt)

    そのプレイヤーのフリースロー試投数が占める割合。

    %OREB(Percentage of Offence Rebound)

    そのプレイヤーのオフェンスリバウンド数が占める割合。

    %DREB(Percentage of Defense Rebound)

    そのプレイヤーのディフェンスリバウンド数が占める割合。

    %REB(Percentage of Rebound)

    そのプレイヤーのリバウンド数が占める割合。%OREBと%DREBの合算値。

    %AST(Percentage of Assist)

    そのプレイヤーのアシスト数が占める割合。

    %TOV(Percentage of Turnover)

    そのプレイヤーのターンオーバー数が占める割合。

    %STL(Percentage of Steel)

    そのプレイヤーのスティール数が占める割合。

    %BLK(Percentage of Block)

    そのプレイヤーのブロック数が占める割合。

    %PF(Percentage of Personal Foul)

    そのプレイヤーのファウル数が占める割合。

    %PFD(Percentage of Personal Fouled)

    そのプレイヤーがファウルされた回数(被ファウル数)が、チームの被ファウルに占める割合。

    %PTS(Percentage of Points)

    そのプレイヤーの得点が占める割合。

    その他のスタッツ

    FREQ(Field Goal Frequency)

    そのプレイヤーがシュートを打つ頻度。

    AST PTS Created(Assist Points Created)

    アシストによって獲得した得点。

    AST to PASS%(Assist to Pass Percentage)

    成功したパスのうち、アシストが占める割合。

    AST ADJ(Assist Ajasted)

    アシストに、フリースローやセカンダリーアシストを合算した数

    TO%(Turnover Percentage)

    ポゼッションに対するターンオーバー率。低いほどミスなく攻撃を終えたことを指している。

    AVG DRIB PER TOUCH(Average Dribble per Touch)

    平均ドリブル回数。

    AVG SEC PER TOUCH(Average Second per Touch)

    平均ボール保持時間(秒)。

    Avg Speed(Average Speed)

    平均移動速度。

    DFGM(Defended Field Goals Made)

    ディフェンスしている選手に許したシュート成功数。

    DFGA(Defended Field Goals Attempted)

    ディフェンスしている選手がシュート数した本数。

    DFG%

    当該選手がディフェンスしている際のFG%。

    DIFF%

    ディフェンスしている選手のシーズン平均FG%と、当該選手がディフェンスしている際のFG%の差。

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