【コラム】ネッツが、ブラッドリー・ビールの獲得を検討!?

    2019-20オフシーズンにカイリー・アービングとケビン・デュラントの目玉FAの獲得に成功したブルックリン・ネッツは、更なる補強としてワシントン・ウィザーズのブラッドリー・ビールの獲得検討している。

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    ブラッドリー・過小評価されている

    2012−13年ドラフトで3位指名を受けたビールは、同じく生え抜きのジョン・ウォールに次ぐ中心選手の1人と目されていた。しかし、8シーズン目を迎える2019-20シーズンの今季はウォールの長期離脱によってチーム不動のエースに成長している。COVID-19の影響で中断されるまでの57試合で、平均30.5得点、4.2リバウンド、6.1アシストを残している。平均30.5得点は堂々のリーグ2位の成績だ。

    リーグ有数のスコアラーであり、トップレベルの成績を残していながらオールスターに選出されなかったのは、ウィザーズが注目度の低いチームであるためだ。

    日本では八村塁の加入で注目を集めているウィザーズだが、全体的にいうとウォールとビールを除くとスター選手が不在で、24勝40敗と勝敗的にも厳しいシーズンを過ごしている。ビールが1人でチームを引っ張っている状態ではあるが、少なくともチームを勝たせることには直結しておらず、その点がビールが過小評価される要因となっている。

    ネッツがビール獲得を模索する理由

    八村塁やダービス・ベルターンスのブレイクといったポジティブな要素はあるものの、ウィザーズ自体が若手主体のチームへ移行しつつあり、2年7,200万ドルの高額契約を結んだビールの去就が注目されている。ウォールが復帰する来季、思ったような成績が残せなければウィザーズが再建に入る可能性はある。そうなると、大型契約を結んでいるウォールとビールの放出は現実的な選択肢に入る。

    一方のネッツはカイリーとデュラントを獲得したことで、2019-20オフシーズンの勝ち組となった。しかし、2019−20シーズンはデュラントが全休していることもあり、30勝34敗と思ったような勝ち星は上げられていない状態だ。昨年、若手中心のチームとして躍進したことを考えると、カイリーが加入した今季ぎりぎりプレーオフ圏内に入っている状態というのは成功しているとは言い難い。デュラントが復帰する2020-21シーズンこそが優勝を目指すシーズンであることは周知の事実だったが、2018-19シーズンほどのインパクトは残せていないことはチームとして不安材料だ。

    カイリーはクリーブランド・キャバリアーズでレブロン・ジェームズと優勝を経験しているが、昨年はボストン・セルティクスで若手との確執が取り沙汰され、チームリーダーとしての資質に疑問を持たれている。デュラントもSNSの炎上騒動やウォリアーズへの移籍/退団の経緯からチームリーダーとしてチームを牽引できるタイプではないと目されている。

    昨年ネッツが躍進した原動力は若手中心のケミストリーにあった。カイリーとデュラントの実力には疑いの余地はないが、若手との架け橋になれる3人目のスター選手を獲得することはチームの安定感につながる。今回のビール獲得の噂は選手としてのビールの価値だけでなく、ウィザーズを牽引してきたビールのリーダーシップも評価してのものだろう。

    また、キャリス・ルバートとは2019-20オフシーズンに再契約を結んだが、チームの中心選手であるスペンサー・ディンウィディーとジャレット・アレンは来年・再来年にFAとなる。カイリーに次ぐオプションとなっているディンウィディーと、ゴール下の守護神となっているアレンのサラリーは跳ね上がると考えられる。ネッツのサラリーキャップは既に余裕がない状態であり、カイリーとデュラント体制を保ちつつ彼らと再契約を結ぶことは難しい。そうなると、デュラントが復帰する2020-21シーズンに勝負をかけるために、トレードでスター選手を獲得しようと考えても不思議ではない。

    トレード予想

    ネッツのサラリーは現時点で1億3,370万ドルとFAで大物選手を獲得することができない。そのため、市場価値が高い若手選手やドラフト指名権を再建中のチームに放出することによって、スター選手を獲得することが現実路線となる。ウォールが復帰する来季の成績次第ではあるが、ウィザーズはこの条件に当てはまる。

    ウィザーズ側からするとビールの放出は若手主体のチーム再編への大きな方針転換となる。再建チームからスター選手を獲得することを考えると、ネッツが保持するドラフト指名権は差し出す必要があるだろう。

    また、ビールを獲得するためにはサラリー面でバランスが取れている必要がある。ビールの2020-21シーズンの年俸は2,900万ドルであり、これにマッチする選手をトレード要員として用意する必要がある。チームの状況を考えると、具体的にはキャリス・ルバート(1,620万ドル)、スペンサー・ディンウィディー(1,150万ドル)、ジャレット・アレン(390万ドル)あたりはトレード要員となる。

    怪我で離脱中のウォールが満足な状態で復帰できなければPGは引き続きウィザーズの弱点であり、ディンウィディーは良い補強となる。ビールを放出することで弱体化するウィングの人員とスコアラーについてはルバートを獲得することで最低限は埋められるだろう。また、リーグ最下位のディフェンスを強化することはチームの至上命題であり、ゴール下を固めることができるアレンもウィザーズが求める人材だろう。

    ネッツのBIG3は実現するか?

    このようにみるとディウウィディー、ルバート、アレンを獲得できれば、ウィザーズとしては悪くない交換だ。さらにドラフト指名権を追加でもらえれば文句はないだろう。しかし、2020−21シーズン前にトレードが成立するかは微妙だ。

    ビールのトレードの噂はこれまでも定期的に出ていたが、代理人であるマーク・バーテルスタインは「ビールとチームは相思相愛だから再契約した」としてトレードの噂を否定している。また、ビール自身も「できればワシントンでキャリアを終えたい」と明言していることからも、生え抜きのスターであるビールのトレードにはウィザーズも勇気がいるだろう。

    また、ネッツがビールを獲得したとしてもスコアラーばかりのBIG3が上手く機能するかには疑問が残る。近年機能したBIG3は、役割の異なった選手が在籍していることが条件となっている。ビールとカイリーはプレーエリアが被り、ボールを持つ傾向が強いカイリーとビールの相性は決して良くない。また、ルバートやアレンを放出することになればチームの選手層は薄くなり、ディフェンス面での負荷も大きくなる。デュラント・カイリー・ビールのBIG3はオフェンス面では非の打ちようがないが、プレーの相性やチームの総合力という面をみるとプレーオフで勝ち切れるかには疑問が残るラインナップだ。

    来季にはウォールが復帰し、ウィザーズは久々にビールとウォールの強力バックコートでシーズンに臨むことになる。ウォールが怪我前の状態で復帰できるかは分からないが、少なくとも現時点ではウォール復帰後のチーム状況を見極めるフェーズになると思われる。ウィザーズの成績次第では来季中のトレード成立の可能性はあるが、2020-21シーズン開幕までにウィザーズがビール放出に動く可能性は低いと思われる。ビールの去就は当面、メディアを賑わせることになるだろう。

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