【コラム】天性のスコアラー:カーメロ・アンソニーの去就

    リーグ有数のスコアラーとして名を馳せるカーメロ・アンソニー。オールスターに10回選出され、2013年にはシーズン得点王を獲得した天性のスコアラーだ。彼の得点力は現役のスター選手にもファンが多く、その去就が注目されている。

    カーメロは昨年はヒューストン・ロケッツに所属したが僅か10試合の出場に終わり、その後はどのチームにも所属していない状態が続いている。先日、カイリー・アービングとケビン・デュラントが、所属するブルックリン・ネッツにカーメロの獲得を打診したと報じられた。カーメロと親交が深いスタープレーヤーの2人のプッシュは、ネッツがカーメロを獲得するの後押しになるかもしれない。

    他にも親友であるレブロン・ジェームズもカーメロの獲得をレイカーズに後押していると伝えられ、優勝候補の一角と目されるシクサーズもカーメロに興味を持っていると報じられている。

    このように2019-20シーズンの優勝候補と目される強豪チームがカーメロの獲得を検討しているとしばしば報じられるが、カーメロがロケッツを離れて約11ヶ月になる。NBAにはサラリーキャップがあり、簡単にスター選手を獲得できない。その影響もあるだろうが、カーメロを獲得するチームは現れるだろうか?

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    カーメロ・アンソニーは天才スコアラー

    カーメロの得点力は高校時代から高い評価を得ており、高校生の頃にはオールアメリカン1stチームに選ばれている。シラキュース大では1年生ながら同校初のNCAAトーナメント優勝に導き、大会MVPに輝いた。NCAAトーナメント準決勝のテキサス大との試合では33点、名門カンザス大との決勝戦では20点、10リバウンド、7アシストを記録している。2003年ドラフトには同じく高校時代から才能を発揮していたレブロン・ジェームズがいたこともあり、「DUNKSHOOT」でも特集が組まれていたことを覚えている。その中でもNCAAトーナメントで圧巻のトリプルダブル劇場を繰り広げたドウェイン・ウェイドとともに、大学バスケファンのみならず一般のNBAファンにも強いインパクトを残した。 

    NCAAトーナメントを制したカーメロは2003年ドラフトにアーリーエントリーし、全体3位でデンバー・ナゲッツに指名された。2003年ドラフトは1位のレブロンはもとより、ドウェイン・ウェイド、クリス・ボッシュ、ボリス・ディアウ、デビッド・ウェスト、カイル・コーバーなどがいた。2003年ドラフトはその選手層の厚さから、アキーム・オラジュワンやマイケル・ジョーダンが指名された1984年、アレン・アイバーソン、コービー・ブライアント、スティーブ・ナッシュらが指名された1996年と並んで、NBA史上屈指の当たり年なのは間違いない。この2003年ドラフトで全体3位という指名を受けたということからも、カーメロへの評価の高さがみてとれる。

    カーメロへの評価の移り変わり

    ナゲッツでキャリアをスタートさせたカーメロは期待にたがわぬ活躍で、レブロンとともに月間ルーキー賞を独占した。ルーキーながらNBA全体で12位となる平均21点を記録し、前年17勝しかできなかったナゲッツをレギュラーシーズン43勝でプレーオフに導いたことで、「レブロンではなく、カーメロが真の新人王」という声も多かった。

    その後もカーメロは天性のスコアリングセンスで得点を積み重ね、ナゲッツはプレーオフの常連となっていった。キャリア初期のレブロンがクラッチライム(接戦時の試合終盤)の勝負強さに疑問が呈されていたのに対し、カーメロの勝負強さと美しいと表現されるオフェンスモーションはファンのみならず、多くのNBA選手をも魅了した。

    しかし、ナゲッツはレギュラーシーズンでは強さを発揮するものの、プレーオフでは1回戦を突破できない状態が続いた。当時リーディングスコアラーの1人だったアレン・アイバーソンを獲得するなどの補強をしたものの、1回戦突破にはカーメロが入団してから5年の歳月が必要だった。このことが、「カーメロは、プレーオフで勝てない」という評価が強まる要因となったのは間違いない。また、プレーオフではレギュラーシーズン以上にディフェンスが重要視されることもあり、カーメロには「勝てないエース」「チームバスケットに難がある自分勝手なプレーヤー」という印象が強くなっていく。

    2006-07シーズンのニューヨーク・ニックス戦の乱闘で出場停止処分を受け、2007-08シーズンのプレーオフ期間中に飲酒運転で捕まるなど、チームリーダーとしての資質に疑問を持たれる要因となった。その後、カーメロはナゲッツにトレードを要求し、2011年に大型トレードで地元ニューヨーク・ニックスへ移籍することになる。

    地元ニックスのエースとして凱旋

    ニックスに移籍したカーメロは、6度オールスターに選出されたPFのアマレ・スタウダマイヤーとコンビを組んだ。しかし、プレーエリアが被るカーメロとスタウドマイヤーとの相性は悪く、マイク・ダントーニHCが得意とするラン&ガン戦術は、じっくりと1on1で攻めるハーフコートオフェンスを得意とするカーメロとは噛み合わなかった。また、カーメロのトレードに関連してニックスは多くのバックアップ選手を放出していた。

    これらの要因もあり、期待されたニックスでの1年目はプレーオフ1回戦で姿を消すこととなった。翌2011-12シーズンもダントーニHCやスタウドマイヤーとの相性が改善されることはなく、カーメロの怪我もあってニックスは厳しいシーズンを過ごし、またしてもレブロン・ウェイド・ボッシュ要するマイアミ・ヒートに破れた。

    この年、ニックスではNBA史上初の台湾系アメリカ人であるジェレミー・リンが大活躍で「リンサニティ」というムーブメントを巻き起こした。2012-13オフシーズンにリンはニューヨークを去ることになるが、チームを離れる要因の1つが、カーメロのリンに対する嫉妬と噂された。こうした勝ちきれないチーム状況やコート上での口論、離脱したリンに対する噂など、カーメロには「自分勝手」「自己中心的」というネガティブなイメージが付いて回るようになった。 

    2012-13シーズンに、ニックスはジェイソン・キッドを獲得した。弱小球団だったニュージャージー・ネッツ(現ブルックリン・ネッツ)を初年度にファイナルに導いたキッドの影響もあり、カーメロのシュートセレクションが良くなり、ケビン・デュラントを抑えて初の得点王を獲得した。また、MVP投票でもレブロン、デュラントに次ぐ3位につけるなど充実のシーズンを送ったが、プレーオフでは2回戦で敗退した。

    2014年に5年12,400万ドルでニックス再契約した。チームはブルズとレイカーズで3度の3連覇を果たしたフィル・ジャクソンと、彼のレイカーズ時代の愛弟子であるデリック・フィッシャーをHCとして招聘し、トライアングル・オフェンスを用いて優勝を見据えた布陣を作った。しかし、トライアングル・オフェンスは基本的にボールを動かし続ける戦術であり、1on1に強みを持つカーメロの相性は悪かった。カーメロ個人は平均27.4点、8.1リバウンド、3P成功率40.2%と高いスタッツを残しているが、チームは勝てない状態に陥った。

    こうしたチーム運営に対するへの不信感やストレスもあり、カーメロは公然とチーム批判し、トレードを要求するようになっっていった。

    優勝のラストピースとしてサンダーへ移籍

    2017-18オフシーズンに、カーメロは強豪オクラホマシティ・サンダーに移籍した。サンダーは超攻撃型PGのラッセル・ウエストブルックに加え、ペイサーズから攻守で高い能力を持つポール・ジョージを獲得していた。このオールスター2人に加えてリーグ屈指のスコアリング能力を持つカーメロが加わったことで、サンダーは「BIG3」を結成することになり、王者ウォリアーズの対抗馬と期待された。

    この年にカーメロ個人としては通算2万5,000得点を達成したNBA史上21人の選手となったが、レギュラーシーズンからチームは噛み合わず、プレーオフ1回戦のユタ・ジャズとの対戦では平均32.3分の出場で11.8点と不発に終わった。

    エースであるウエストブルック、3&Dの最高峰選手の1人であるポール・ジョージに次ぐ「第3の男」がカーメロに求められていた役割だった。サンダーはあくまでウエストブルック中心のチームであり、ボールを要求するカーメロのスタイルはウエストブルックのプレースタイルと合わなかった。ボールを持つことでテンポを掴むプレーヤは過去の例からも共存しにくい。

    また、以前から指摘されていたディフェンス意識の低さが、数字に残らない部分でチームのウィークポイントになっていた。これらの要因から、サンダー失速の原因はカーメロにあるとされ、サンダーの「BIG3」は1年で幕を閉じた。

    2018-19シーズン、カーメロは打倒ウォリアーズを掲げるヒューストン・ロケッツと契約した。ここでもカーメロに求められた役割は、絶対的エースで現役最高のスコアラーであるジェームズ・ハーデン、史上最高レベルのPGであるクリス・ポールに次ぐ、「第3の男」だ。この年の契約は1年2,000万ドルで、チームの中心選手というよりは、ラストピースとしての意味合いが強かった。

    しかし、サンダー時代に組んだエストブルックと同じくボールを持つことでテンポを掴むタイプであるハーデンとの折り合いは悪く、カーメロは僅か10試合の出場に留まり、解雇された。ロケッツでのスタッツは、平均29.4分出場で13.4点、5.4リバウンドと際立った成績を残すことができず、オフェンス面での衰えを指摘する声も増えていった。ロケッツのHCはニックス時代に上手くいかなかった(一説ではカーメロが交代を要求したとされる)マイク・ダントー二が務めており、表面上は確執を見せなかったが、トラジション・オフェンスを得意とするダントー二の戦術とハーフコートオフェンスに強みを持つカーメロは噛み合うことはなかった。

    ロケッツ解雇後は、「第3の男」を探す強豪チームと契約すると思われていたが、結局どのチームと契約することもなく2018-19シーズンを終えた。 

    カーメロ・アンソニーという劇薬

    カーメロが天才的なスコアラーであることは間違いない。クリックリリースで放たれる美しい3Pシュートを高確率で決め、インサイドでは大型選手にも当たり負けしないポストアップで得点を積み重ねる。加えて、ウイングから1on1を仕掛けるプレーも得意としており、オフェンス面では穴のないオフェンス技術を持っている。ナゲッツやニックス在籍時には何度もクラッチショットを決めており、勝負強さも実証済みだ。

    この点については、コービー・ブライアントも「最もディフェンスが難しい選手の1人」と評している。 

    カーメロの問題①:強豪チームのラストピースとしてリスクが高い

    カーメロは得点力が優れているがゆえにシュートを乱発する傾向がある。これはキャリアをスタートさせたナゲッツ時代から言われている部分だ。ボールを保持し、ディフェンスとの駆け引きで得点を重ねるプレースタイルに強みがあり、ボールを持つことでテンポを掴む。そのためシュート効率が良いとは言い難い。

    また、自身の得点に拘る傾向があり、周りを活かすことができないという評価もある。少なくともボールのシェアが問題となり、アレン・アイバーソン、アマレ・スタウドマイヤー、ラッセル・ウエストブルック、ポール・ジョージ、ジェームズ・ハーデンら超一流プレイヤーと、共存できた経験がないのは事実だ。

    カーメロがチームでもっともオフェンス能力が高いリーディングスコアラーであれば彼を軸としたオフェンスシステムを組むことができるので、カーメロのオフェンス力が武器となる。しかし、カーメロがボールを独占するプレーを良しとしない(多くの強豪はすでにチームの核となる選手がおり、彼を中心にシステムがデザインされている)場合は、カーメロのオフェンス特性は上手く機能しないだろう。これはメディアでいわれるように「カーメロは自分が第1オプションでないと気が済まない」という評価にもつながっている。

    ポール・ジョージを除いて、先に挙げたチームの核となるスコアラーたちはボールを保持してテンポを掴むタイプの選手たちだ。彼らとカーメロがそれぞれボールを独占することで、チームのオフェンスバリエーションは単調になる。

    カーメロの弱点②:ディフェンスに対する意識

    以前からカーメロの大きな弱点といわれているのはディフェンスだ。

    オフェンス面に関してはシーズン得点王を獲得したなどの輝かしい実績があるが、ディフェンスについてはオール・ディフェンシブ・チームに選ばれた経験はない。これはスキルの問題ではなく、意識の問題と言われている。

    カーメロが全盛期の頃は、リーグ有数のスコアリング能力でディフェンスの不味さをカバーしていた。オフェンスに専念することがチームの戦術であり、中途半端にディフェンスを意識するよりもオフェンスに特化したほうがチームにとってプラスという理論だ。こうした戦術的なディフェンスの放棄は、現NBAでもっともスコアリング能力が高いとされるジェームズ・ハーデンにも見られる。しかし、ディフェンスで計算できず、身体的な衰えがみられる35歳のベテランスコアラーはチームにとって起用が難しい。

    プレーオフではレギュラーシーズン以上にディフェンスが重要とされる。プレーオフはトーナメント形式であり、1勝の重みがレギュラーシーズンとはまるで違う。過去の優勝チームを見ても、「オフェンスに秀でているが、ディフェンスは弱い」チームは近年のNBAでは優勝できていない。ウォリアーズなどの超攻撃型チームでも、「オフェンスに秀でているが、ディフェンスも平均以上」のチームが優勝している傾向がある。そのため、優勝を視野に入れている競合チームには、平均以上のディフェンス力が求められる。 

    ニックスの非公開練習試合に参加

    カーメロは、今オフにニックスの非公式練習試合に参加し、ニックスの中核を担うと見られているジュリアス・ランドルとの1on1の動画が公開された。試合ほどディフェンスが厳しくないとはいえ、1on1のオフェンス能力については現在でもNBAレベルと感じる。

    カーメロに求められる役割

    同期のレブロンは衰えが囁かれ、ウェイドは昨年で引退した。今年35歳になるカーメロに残された時間は多くない。ウエストブルックやハーデン、ダントーニHCが得意とするトラジション・オフェンスとの相性の悪さはあったが、ニックス以降のカーメロはオフェンス面での支配力にも陰りが見えつつある。

    カーメロの今後のキャリアで求められる役割は「第3の男」だ。2015−16シーズンに優勝を果たしたキャバリアーズのケビン・ラブや、ヒートで “スリーキングス” を結成していた際のクリス・ボッシュのようにチームのエースではなく、勝負どころで第3の男になれる役割だ。優勝を狙うことができる強豪チームには、既にチームの核になる選手が2人程度在籍していることが多い。彼らを軸にチームが組まれているため、カーメロは彼らにスポットライトを譲ることがチームの勝利につながる。エースをサポートするというイメージは皆無であるが、チームUSAでそれに近い役割を果たすことができていたことを考えると、カーメロの意識次第で克服できる問題だ。

    NBAのゲームスピードは高速化しており、ボールを保持する時間が長くハーフコートオフェンスを得意とするカーメロのスタイルは現代NBAに合いにくい。しかし、カーメロがベンチスタートも受け入れ流ことができれば話は変わる。セカンドチームは堅実なバックアッププレーヤーで構成されていることが多く、カーメロがベンチから出場することでオフェンスシステムに厚みを持たせつつ、カーメロが得意とするハーフコート・オフェンスのスキルを活かすことができる。

    「チームの第1オプションを譲る(=自分がエースにならない)」「控え出場も受け入れる覚悟を持つ」という2つをカーメロが受け入れられれば、カーメロはチームに不可欠な選手になる可能性がある。

    逆にカーメロが「自分がチームの1stオプション」ということに拘れば、優勝を狙える強豪と契約することは難しい。35歳のカーメロが再建中のチームと契約することは考えにくいが、カーメロを1stオプションに据えることは若手エースを育てるというチームのビジョンと合致しない。現実的にはカーメロを獲得するのは優勝へのラストピースを探している強豪になるだろう。

    ロケッツ移籍時にカーメロは「求められる役割をする」とインタビューで答えた。しかし、彼が口にした”役割”は、本当にチームから求められていた役割だったのだろうか。この点がポイントになりそうだ。

    カーメロがマッチするチームとは

    カーメロ・アンソニーの去就はNBA界隈の大きな関心事であり、現在も複数の球団と交渉中であることが報じられている。

    最近では今オフに大規模補強を実施したネッツや、ファイナル出場を見据えるセブンティシクサーズがカーメロに興味を持っていると報じられている。

     今オフにブルックリン・ネッツに移籍したケビン・デュラントとカイリー・アービングの2人のスターはカーメロと親しく、ネッツの経営陣にカーメロ獲得を打診したとされる。カイリー、デュラント、カーメロの”BIG3″が実現すれば、2017-18シーズンに在籍していたサンダーの”BIG3″よりも単純なオフェンス力では上だ。デュラントはアキレス腱断裂で2019-20シーズン全休が見込まれており、カーメロ獲得はデュラント不在時の大幅なスコアリング改善につながる。

    カイリーはカーメロと相性が悪いボールを持つタイプのPGという点が懸念材料だ。キャバリアーズでレブロンのNo.2としてプレーしていた経験はあるが、それが上手くいっていたのはレブロンがゲームメイクができるからだ。また、アービングは昨年セルティクスで若手エースに成長したジェイソン・テイタムをはじめとする若手を批判し、チームリーダーとしての資質に疑問を持たれた。一方のネッツは昨年、周囲の予想に反して若手主体のチームでプレーオフ出場を果たした。この構図は、テイタムを中心に勝ち上がった2017-18シーズンのセルティクスと似ている。チームとしては延長契約を結んだキャリス・レバートをチームの第2・第3オプションに成長させたいと思っているはずであり、カーメロを加えることはリスクを伴う可能性がある。

    次に噂になっているセブンティシクサーズを見てみよう。シクサーズは2017-18新人王のベン・シモンズ、次世代のNo.1センター候補のジョエル・エンビードを中心とした2019-20シーズンの優勝候補だ。今オフにはトバイアス・ハリスと再契約し、堅実なインサイドとしてアル・ホーフォードを獲得した。ディフェンス力はおそらくリーグ随一だが、チームの懸念点はヒートに移籍したジミー・バトラーが担っていた勝負どころでのオフェンス力と、高額契約を乱発したことによるベンチメンバーの層の薄さだ。

    バトラーの後釜として成長中のジョシュ・リチャードソンを獲得したが、そこにカーメロのスコアリング能力を加えれば攻撃面での向上も図れる。チームのオフェンステンポもカーメロに合致する。懸念点はシモンズ、エンビードとのボールのシェアだ。シモンズはスラッシャー型のオフェンスを得意とし、エンビードはポストでボールを持つことが多い。そのため、彼らのキックアウトに対応するキャッチ&シュートが求められることになる。

    友人のレブロン・ジェームズ率いるロサンゼルス・レイカーズ入りも噂されるが、ここでもレブロン、アンソニー・デイビス、カイル・クーズマに次ぐ第4の男であることが求められる。しかし、レイカーズは問題児の烙印を押されたドワイト・ハワードを無保証の1年契約で獲得したこともあり、レイカーズ首脳陣はカーメロ獲得に二の足を踏む可能性もある。

    最後に、地元でもある古巣ニックスへの復帰も考えられる。非公式とはいえ練習試合に参加する関係性は維持しており、カーメロの地元ということも後押しするだろう。カーメロの全盛期はニックス所属時で、ニューヨークの熱狂的なファンも彼のラストランを受け入れるのではないかと思う。今季のニックスはベテランPFのタージ・ギブソンや、攻守で役割が求められるジュリアス・ランドルを獲得したが、リーグ下位の成績になることが予想されている。また、ベテランPFが複数在籍しており、カーメロのためにロスターを空ける可能性はある。

    ニックスはザイオン・ウィリアムソンの獲得には失敗したが、一時は1位指名も噂されたRJ・バレットをドラフト指名した。また、デニス・スミスJr、ケビン・ノックス、ミッチェル・ロビンソンと将来性の高い若手も多数在籍している。彼らの成長を球団が待つのであればカーメロ獲得は彼らの成長には逆効果にもなりえる。

    ニックスは迷走を続けているがスコット・ペリーGMが就任して以来、比較的堅実な動きをしている。こうした要素を考えても、ニックスは若手を主軸にチームの再建を目指していくべきだろう。必要なのは、若手を導くことができるアンセルフィッシュなベテラン選手だ。

    カーメロがどのチームと契約するかはわからない。しかし、彼に残された時間は多くなく、優勝を見据えればプレースタイルやポリシーの変化は必須だ。「チームの第1オプションを譲る」「控え出場も受け入れる」という2つを克服ができれば、彼の価値は大きく上がるだろう。

    これらの意識改革は必須だが、チームリーダーとして親友レブロンが在籍するレイカーズはカーメロにとって居心地の良いチームになり得る。アンソニー・デイビス、カイル・クーズマ、ダニー・グリーンと選手が揃っており、カーメロに求められる負担も少なくて済む。

    今年35歳のベテランスコアラーに残された選択肢は思いのほか少なく、次がラストチャンスになる可能性もある。カーメロが自分のスタイルを変革することができれば、優勝チームの一員として可能性もゼロではないだろう。 

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