オフシーズンの動き
加入 | ・クリス・ポール(HOU) ・シェイ・ギルジャス・アレクサンダー(LAC) ・ダニーロ・ガリナリ(LAC) ・マイク・マスカーラ(LAL) ・デボーン・アクーン・パーセル(DEN) ・エリック・モアランド(TOR) ・マイク・ヘンリー(FA) ・ジャスティン・パットン(FA) ・デボン・ホール(FA) ・ダリアス・ベリズリー(Draft23位) ・アブドゥル・ギャディ(Draft外) | 退団 | ・ラッセル・ウエストブルック ・ポール・ジョージ ・パトリック・パターソン ・ジェレミー・グラント ・マーキーフ・モリス ・ドンテ・グランサム ・レイモンド・フェルトン ・ジャワン・エバンス |
予想ロスター
PG | SG | SF | PF | C | |
1st | クリス・ ポール | シャイ・ギルジャス・ アレキサンダー | ダニーロ・ ガリナリ | マイク・ マスカーラ | スティーブン・ アダムズ |
2nd | デニス・ シュルーダー | テレンス・ ファーガソン | アンドレ・ ロバーソン | ダリウス・ ベイズリー | ナーレンズ・ ノエル |
3rd | ハミドゥ・ ディアロ | アブドゥル・ ネイダー | エリック・ モアランド | ジャスティン・ パットン | |
4th | デオンテ・ バートン | ||||
5th |
2019−20シーズンの展望
オクラホマシティ・サンダーは転換期を迎えている。2017-18シーズンからオールラウンダーな活躍でチームの一翼を担っていたポール・ジョージが移籍し、長年エースとしてチームを率いてきた生え抜きのラッセル・ウエストブルックをヒューストン・ロケッツに放出した。ケビン・デュラントがチームを離れて以来、3年連続でプレーオフ1回戦で敗退しており、昨年はブレイザーズ相手に1勝4敗という結果だったことから、チームの再建を模索した結果だろう。
しかし、ジョージのトレード志願がなければチームは再建に入らなかっただろう。平均28.0点、8.2リバウンド、4.1アシスト、2.2スティールとキャリア最高の成績を残してMVP投票で3位に入ったジョージはチームのエンジンだった。チームのエースこそウエストブルックだったが、ウエストブルック体制にチームが限界を感じていたこともまた事実だ。

トリプルダブル製造機としてリーズ有数の爆発力をもつウエストブルックと、攻守でリーグ最高峰の能力を持つジョージの放出、頭角を出していたジェレミー・グラントや、2ndチームで効果的な働きをしていたベテランのレイモンド・フェルトンもチームを離れ、チームは本格的に再建モードに入ることになった。
ウエストブルックの見返りとして獲得したのは、リーグ有数のプレイメーカーであるクリス・ポールだ。オフェンス面、ディフェンス面で穴が少なく、一時はリーグ最高峰のPGとして活躍していたポールは、将来のスターとなれる可能性があるシャイ・ギルジャス・アレキサンダーの育成役としてうってつけだ。キャリア15年目を迎えるポールは全盛期を過ぎているが、現在でもゲームメイクやアシスト力ではリーグ上位に入る。しかし、優勝のチャンスはそう多くなく、シーズン中にトレードを要求する可能性も低くはないだろう。
また、チームの2ndオプションとしては、3Pシュートを得意とするベテランのダニーロ・ガリナリを加えた。ガリナリは昨年平均19.8点と、キャリア最高の成績を残した。インサイドの核であるスティーブン・アダムス、ポール、ガリナリの3人は老獪なプレーで地味に勝ち星を増やすかもしれない。
しかし、サンダーはエース放出の見返りとしてドラフト指名権を9つも持っている。ポール、アダムス、ガリナリ、アンドレ・ロバーソンらベテラン勢の契約は2021年までに切れるため、今後数年かけてチームの若返りを図っていくことになるだろう。そのため、ポールやアダムス、ロバーソンらはシーズン中に放出されても驚くことではない。

サンダーが期待するのは1試合20点、10アシストを期待できるアレキサンダー、3&Dとして開花しつつあるテレンス・ファーガソン、高い身体能力が武器のハミドゥ・ディアロらの成長だ。彼らがチームの主力として安定的な活躍ができれば、チームの若返りはそこまで遅くないかもしれない。
クリス・ポールのプレーメイク力は健在であり、ディフェンスに定評があるロバーソン、インサイドの核となれるアダムス、3Pシュートでチームに貢献できるガリナリが噛み合えばプレーオフ争いは現実的に可能だ。そこにアレキサンダーやファーガソンが存在感を見せることができれば、アップセットを起こす可能性もある。
しかし、中長期的な目線では現在のロスターを長く維持することはないだろう。一昨年のボストン・セルティクスのように、ドラフト指名権を活用して若手主体のチームに徐々に切り替えていくことだろう。