オフシーズンの動き
加入 | ・デマーレイ・キャロル(BKN) ・トレイ・ライルズ(DEN) ・ルカ・サマニッチ(Draft19位) ・ケルドン・ジョンソン(Draft29位) ・クインダリー・ウェザースプーン(Draft49位) ・ドルトン・ホムズ(Draft外) ・デドリック・ローソン(Draft外) | 退団 | ・ダービス・ベルターンス ・ダンテ・カニングハム ・クインシー・ポンデクスター ・ベン・モア ・ドナタス・モティユナス |
予想ロスター
PG | SG | SF | PF | C | |
1st | デジャンテ・ マレー | デマー・ デローザン | ルディ・ ゲイ | ラマーカス・ オルドリッジ | ヤコブ・ パートル |
2nd | デリック・ ホワイト | マルコ・ ベリネリ | デマーレイ・ キャロル | トレイ・ ライルズ | チメジー・ メトゥ |
3rd | パティ・ ミルズ | ロニー・ ウォーカーⅣ | ケルドン・ ジョンソン | ルカ・ サマニッチ | |
4th | ブリン・ フォーブス | ||||
5th |
2019−20シーズンの展望
ティム・ダンカン、トニー・パーカー、マヌ・ジノビリのBIG3の時代が終わり、次世代のエースとして頭角を現したカワイ・レナードと中心にスタートした2018-19シーズンだったが、シーズン途中にレナードをトロント・ラプターズに放出。代わりにペリメーターでのオフェンススキルが高いデマー・デローザンを獲得した。

デローザンは名称グレッグ・ポポビッチHC好みのミドルシュートを多用するタイプのSGであり、ポポビッチHCの方針もあり、昨年はキャリアハイの6.0アシストを残した。インサイドの要であるラマーカス・オルドリッジとの相性も良く、2人とも平均21点とボールをシェアした。スパーズ移籍直後は忠誠を誓ったラプターズに放出されたショックから精度を欠いたが、最終的にはスパーズのエースとしてシーズンを終えた。
オルドリッジ、デローザンと2人のペリメータープレーヤーを擁していることもあり、オフェンスレーティングはリーグ6位を記録している。しかし、ディフェンスレーティングではリーグ20位と平均以下の結果だ。オルドリッジもデローザンもディフェンスを苦手としている選手ではないが、リーグ有数のディフェンダーとして知られる前任者のカワイ・レナードと比べるとデローザンのディフェンスは劣っているのは事実だ。ウェスタンの強豪は着々と大型補強を実施しており、シーズン終盤からプレーオフにかけてはディフェンスが非常に重要となる。ポポビッチHCがディフェンスを重要視していることもあり、エース2人のディフェンスでのステップアップは23年連続プレーオフ進出の鍵になりそうだ。
2017−18シーズンに才能の鱗片を見せたデジャンテ・マレーとロニー・ウォーカー四世の2人が怪我から復帰する今季は、バックコートでさらなる成長をみせたいところだ。バスケットIQの高いマレーと、爆発力のあるウォーカーの若手コンビは魅力的だが、まだNBAレベルでの安定感はない。彼らが成長をみせ、デローザンとケミストリーを構築できれば面白い存在になるだろう。

PGには2018-19プレーオフで開花したデリック・ホワイトがおり、ベテランのパティ・ミルズがベンチには控えている。スパーズは伝統的にPGがゲームメイクをする比重が高いため、マレー、ウォーカー、ホワイトの若手バックコート陣の成長はスパーズの生命線だ。
サポート要員として、全盛期は過ぎているがルディ・ゲイ、マルコ・ベリネリ、デマーレイ・キャロルと実績のあるメンバーを揃えている。それぞれ3Pシュートやリバウンドで貢献することができ、デローザンとオルドリッジをサポートできる。
ポポビッチ体制のスパーズの強みは一貫してインサイドの安定感と、PGのゲームコントロール力にある。また常にエースキラーと言われるリーグ屈指のペリメーターディフェンダーがいた。NBA歴代でも最高峰の安定感持っていたティム・ダンカンと、ファイナルMVPの受賞歴のあるトニー・パーカーは引退し、現役No1ディフェンダーの呼び声も高いレナードはチームを去った。20年間にわたってスパーズを支えてきた強みは、ポポビッチ体制の23年間でもっとも弱くなっているといっていいだろう。
3年の延長契約を結んだものの70歳を迎えたポポビッチHCの去就にも注目だ。アシスタントコーチに殿堂入りの教え子ティム・ダンカンを加えたことから、コーチングについても世代交代が起こるのは時間の問題だろう。
昨年のプレーオフでデンバー・ナゲッツ相手に7戦までもつれ込んだことを考えると、プレーオフ進出は現実的だ。しかし、ウェスタンカンファレンスの強豪が大きな補強を実施した2019-20シーズンは、スパーズにとっては過去最大の試練となるだろう。