【2019-20:プレビュー】マイアミ・ヒート

    目次

    オフシーズンの動き

    加入・ジミー・バトラー(PHI)
    ・デイボン・リード(IND)
    ・ダリル・メイコン(DAL)
    ・マイヤーズ・レナード(POR)
    ・マイカル・ムルダー(FA)
    ・タイラー・ヒロ(Draft13位)
    ・KZ・オクパラ(Draft32位)
    ・ジェレミア・マーティン(Draft外)
    ・クリス・シルバ(Draft外)
    ・カイル・アレクサイダー(Draft外)
                     
    退団・ドゥエイン・ウェイド
    ・ジョシュ・リチャードソン
    ・ハッサン・ホワイトサイド
    ・ライアン・アンダーソン
    ・ヤンテ・メイテン
                     

    予想ロスター

    PGSGSFPFC
    1stゴラン・
    ドラギッチ
    ジミー・
    バトラー
    ジャスティス・
    ウィンズロウ
    ケリー・
    オリニク
    バム・
    アデバヨ
    2ndジェレミア・
    マーティン
    ディオン・
    ウェイターズ
    デリック・
    ジョーンズJr
    ジェームズ・
    ジョンソン
    マイヤーズ・
    レナード
    3rdダリル・
    メイコン
    タイラー・
    ヒロ
    ダンカン・
    ロビンソン
    ユドニス・
    ハスレム
    4thケンドリック・
    ナン
    5th                                   

    2019−20シーズンの展望

    チームの象徴だったドウェイン・ウェイドが引退し、チームの核として期待されていたハッサン・ホワイトサイドを放出したヒートは、次の時代に移行するフェーズに入った。

    支配的なインサイド選手になることを期待されたホワイトサイドは、近年のNBAで求められる3Pシュートも打てるスペーシングに秀でたセンター像ではなく、オールドスクールな肉体派のセンターだった。彼のプレースタイルはアウトサイドシュートに秀でた選手が多数在籍するチームではリバウンドを期待できるが、ヒートではチーム作りの足枷となっていると評価された。また、高額契約もチームの重荷となっていた。

    ウェイドの引退、ホワイトサイドの放出に対し、球団社長であるパット・ライリーが「チームの顔」として選んだのは4度のオールスター出場経験があるジミー・バトラーだった。バトラーは2011年にドラフト30位でシカゴ・ブルズに指名され、徐々に頭角を現し、ブルズ、ウルブズ、シクサーズでエース級として活躍した。エースとして起用されれば、毎試合20点、5リバウンド、4アシストは期待できる。クラッチタイムにも強く、昨年もクラッチシュートを任させることも多かった。

    近年はクラッチシュートや得点力が目立つ選手だが、バトラーの本懐はディフェンス力だ。NBAオールディフェンシブチームにも選出されており、ペリメーター・ディフェンスはリーグ屈指だ。ヒートはリーグ屈指の2ウェイプレーヤーを獲得したといってよいだろう。

    バトラーの獲得には懸念点もある。バトラーはストイックな性格をしており、チームメイトに対しても非常に厳しいことで知られている。ウルブズでは、アンドリュー・ウィギンスやカール・アンソニー・タウンズに厳しい言葉を投げかけ、若手との間に溝ができたといわれている。ヒートにもジャスティン・ウィンズロウやバム・アデバヨを筆頭に将来性の高い若手選手が多数在籍しており、バトラーのストイックさがチーム分解の要因になる可能性もある。

    しかし、パット・ライリーがチームの実権を握り、近年での優勝経験があるヒートには、チームが勝つために必要な文化と土壌がまだあると思われる。こうしたチーム文化はバトラーの性格ともマッチするだろう。

    今オフ、ヒートはバトラーとデュオを結成するスター選手の獲得を目論んだ。その筆頭はヒューストン・ロケッツに移籍したラッセル・ウエストブルックと、ニュージャージー・ネッツに移籍したカイリー・アービングだった。どちらもMVP級のスタープレーヤーであり、獲得できていればパット・ライリー球団社長の好むスター軍団を形成していた可能性は高い。しかし、現実にはウエストブルックもアービングも獲得できなかったため、今季はバトラーを中心に、若手や既存メンバーで戦い抜くことになりそうだ。

    ウエストブルック、アービングの獲得に動いたということは、球団はバックコートに課題を感じているということだ。PGには攻撃型ガードのゴラン・ドラギッチがいるが、怪我の影響もあり以前ほどの活躍ができるかは不明だ。得点力の高いPGが多く在籍している現代NBAではディフェンス面でも穴になる場面も多いだろう。

    バトラー獲得によって控えになるであろうディオン・ウェイターズが、ベンチから存在感を見せることができれば面白い存在になる。ただし、ヒートがシーズン中にスター選手の獲得を狙う場合には、トレード要因の1人として放出される可能性もある。
    ウィンズロウを大型PGで起用することが定着するようであれば、ウィンズロウをPG、ウェイターズをSG、バトラーをSFで起用するといったローテーションも考えられる。23歳のウィンズロウは昨年平均12.6点、5.4リバウンド、4.3アシストを記録しており、順調に成長すれば大型のポイント・フォワードとしてチームの核になりえる。ペリメーターでボールを持つことが多いバトラーと共存することができれば、東のダークホース的存在になることも可能だ。

    また、ドラフト13位で指名したタイラー・ヒロはシュート力に定評があり、サマーリーグで19.5点を記録している。バトラーがアウトサイドでの得点力に秀でた選手ではないため、ヒロがピュアシューターとして活躍することができれば、チームのXファクターとして面白い存在になるだろう。

    ホワイトサイドが抜けたCには、バム・アデバヨが先発として起用されるだろう。アデバヨは2017年にドラフ14位でNBA入りし、昨年は平均8.9点、7.3リバウンドと才能の片鱗をみせた。22歳と若く、今後の起用次第ではシーズンダブルダブルを狙うことも射程圏内だ。アデバヨはディフェンス面で特に非凡な才能を発揮しているが、アウトサイドでのプレーやスペーシングはまだ発展途上だ。この点が改善できればオールスター選出も現実的だ。控えのマイヤーズ・レナードは3Pシュートが得意で、状況に応じてタイプの異なる2人を使い分けることができるのは強みだ。昨年のプレーオフ最終戦では、ゴールデンステイト・ウォリアーズ相手に30点、12リバウンドと大爆発したことも記憶に新しい。

    PFには3Pシュートが打て、オフボールでの活躍が光るケリー・オリニクを据える。オリニクはスタッツこそ平凡であるが、インサイドのスペーシングやリバウンド争い、スクリーンプレイなど、泥臭いプレーでバックコート陣を支える役割を請け負うことができる。高額な契約に見合うかは微妙だが、スター選手を支えるサポートメンバーとしては適任だ。また、身体能力が高いジェームズ・ジョンソン、ヒート一筋の大ベテランであるユドニス・ハスレムと、現戦力の大幅な強化や成長は見込めないが、オン/オフでチームを支えることができる安定感のあるロールプレイヤーが揃っている。

    ジミー・バトラーというリーグ有数の2ウェイプレーヤーを獲得したヒートだが、チームの命運を分けるのは若手の成長だ。超高額契約を結んでいたホワイトサイドを放出できたことは、チーム運営の面で将来的にも柔軟性をもたらすことができる。

    全盛期を迎えつつあるバトラーを獲得したことで、ロサンゼルス・レイカーズのように若手の育成よりも「現在の勝利」を優先することもありえる。その場合はウェイターズ、ウィンズロウ、アデバヨといった現在の中心メンバーがトレード要員となる可能性もある。

    昨年イースタンでプレーオフ争いをしたことと、ウィンズロウやアデバヨの成長、バトラーの加入を考えると、プレーオフは射程圏内だ。そのためにはバトラーと若手のケミストリー構築は必須だ。

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