【2019-20:プレビュー】フェニックス・サンズ

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目次

オフシーズンの動き

加入・リッキー・ルビオ(UTA)
・ダリオ・サリッチ(MIN)
・フランク・カミンスキー(CHA)
・アーロン・ベインズ(BOS
・シェック・ディアロ(NOP)
・ジェボン・カーター(MEM)
・キャメロン・ジョンソン(Draft11位)
・タイ・ジェローム(Draft24位)
・ジャレッド・ハーパー(Draft外)
・ジェイレン・レック(Draft外)
・デイビッド・クラマー(Draft外)
・タリク・オーウェンス(Draft外)
・ノーレンス・オディアセ(Draft外)
                 
退団・TJ・ウォーレン
・ジョシュ・ジャクソン
・ジャマール・クロフォード
・ディアンソニー・メルトン
・トロイ・ダニエルズ
・ジマー・フレデッテ
・ドラガン・ベンダー
・ジョージ・キング
・レイ・スポルティング
・リショーン・ホームズ
                 

予想ロスター

PGSGSFPFC
1stリッキー・
ルビオ
デビン・
ブッカー
ケリー・
ウーブレイJr
ダリオ・
サリッチ
ディアンドレ・
エイトン
2ndジェボン・
カーター
タイラー・
ジョンソン
ミカル・
ブリッジズ
シェック・
ディアロ
フランク・
カミンスキー
3rdエリー・
オコボ
ジェイレン・
レック
キャメロン・
ジョンソン
アーロン・
ベインズ
4thタイ・
ジェローム
5th                                   

2019−20シーズンの展望

2018-19シーズンもフェニックス・サンズは不死鳥のごとく蘇ることができなかった。チームはウェスタンカンファレンス最下位の成績で、9シーズン連続でプレーオフ進出を逃した。チーム唯一の明るい材料は、エースのデビン・ブッカーの活躍だ。

ブッカーは22歳という若さながら平均26.6点を記録しており、通算5,000得点をリーグ史上5番目の早さで達成した。2試合連続で50点超えの試合をするなど類い稀なオフェンス能力を持っているが、ディフェンス面では穴になっている。それを証明するかのように、チームのディフェンスレーティングはリーグ29位だった。

オフェンス面ではブッカーを筆頭に、2018年ドラフト1位指名のデイアンドレ・エイトン、身体能力が高いケリー・ウーブレイJr.と、才能豊かな若手が揃っている。

エイトンはデビュー戦で18得点、10リバウンド、6アシストと目覚ましい活躍をし、デビュー戦でのスタッツはオスカー・ロバートソン、カリーム・アブデュル・ジャバーに次いでリーグ史上3人目の偉業だ。FG成功率58.5%は歴代最高の数字となっており、新人ながら平均ダブルダブルを記録している。エイトンはインサイドでのプレーに強みを持つが、現代センターらしくミドルシュートも打て、オフシーズンには3Pシュートの練習を行ったことで、将来的にはストレッチ5になれる可能性を秘めている。 ルカ・ドンチッチとトレイ・ヤングの陰に隠れがちだが、数年後にはリーグ最高峰のセンターとして名を馳せていてもおかしくない。

また、ウーブレイJrはオフェンスパターンは限られているものの、高い身体能力を武器にインサイドへのアタックで得点を量産する。3P成功率はキャリア平均32.1%と改善の余地ありだが、昨シーズンは平均15.2点と年々スタッツを上げている。ブッカー、エイトンとタイプが違うことも追い風で、チームの3rdオプションとしてはもってこいだ。

ブッカー、エイトン、ウーブレイJrのオフェンス能力の高さは折り紙つきだが、逆に言えばディフェンス側は的を絞りやすい。1人1人のオフェンス能力が高いゆえにオフェンスが単調になりやすく、ボール離れが良くないのだ。シーズン途中にマイアミ・ヒートからタイラー・ジョンソンを獲得したものの、プレイメイキングに強みがあるタイプのPGではなかった。

そこでサンズはFIBAワールドカップでMVPを受賞し、天才的なゲームメイカーであるリッキー・ルビオを獲得した。ウルブズとジャズで8年を過ごしたルビオはシュート力とディフェンス力に疑問が持たれることが多いが、オフェンス能力に長けたブッカーやエイトンが在籍するサンズでは得意のプレーメイキングに専念することができる。チームの得点源であったTJ・ウォーレンが移籍したこともあり、ブッカーやエイトンへのマークはさらに厳しくなることが予想されるが、ルビオがボールを持つことで相手の動きに合わせてボール配給を適切に行うことができるだろう。

リーグ最下位レベルに沈んだディフェンスについては個で対処するのではなく、システムとして対応することを選んだ。新任のモンティ・ウィリアムズHCはディフェンスを重視するタイプのコーチで、堅実な采配を得意とする。名称グレッグ・ポポビッチの下で経験を積んでおり、下位チームから強豪に成長したセブンティシクサーズではブレット・ブラウンの下でアシスタントコーチとして活躍している。ポポビッチのチーム哲学と、シクサーズでの若手育成の経験を踏まえて考えると、現在のサンズに適した人事だったといえる。サンズは3年間で3回のHC変更があり、チームが迷走しているという側面がある。若手をじっくりと育てるという意味でも、ウィリアムズHCに中長期的にチームを任せることは悪い話ではないだろう。

チーム第2の得点源だったウォーレンを放出したものの、ブッカー、エイトン、ウーブレイJrというラインナップはエキサイティングだ。これをコントロールする司令塔としてルビオを獲得したのも、チーム全体としては良い補強だったといえるし、ウィリアムズHCの招聘も的確な人選といえる。脇を固める選手としてタイラー・ジョンソン、ダリオ・サリッチ、フランク・カミンスキーと及第点のメンバーを揃えている。特にサリッチはルビオとともにインサイドから試合ペースをコントロールすることができる。

ここ数年チームの方針は二転三転しており、勝てるチームとはお世辞にもいえない状態だった。ウォーレンを放出したことに対する批判も少なくないが、少なくとも2019-20シーズンに向けてサンズは堅実に勝てるチーム構成を整えたことは評価できる。プレーオフを勝ち進むことは厳しいかもしれないが、サンズがプレーオス争いに参加しても驚くことではない。

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