ニコラ・ブーチェビッチとアーロン・ゴードンを放出し、本格的に再建へと舵を切ったオーランド・マジックの2021-22シーズンの展望をご紹介します。
2020-21シーズン:振り返り
シーズン勝敗 | 21勝51敗(勝率.292) |
プレーオフ結果 | 未出場 |
OFF RATING | 105.1(29th/30) |
DEF RATING | 114.5(26th/30) |
NET RATING | -9.4(29th/30) |
マジックは過去10年で3回プレーオフ進出も1回戦敗退という結果を受け、シーズン途中に元オールスター選手のニコラ・ブーチェビッチと、アスレチックな3&Dとしてプレーできるアーロン・ゴードンを放出した。これによりチームは完全に再建に舵を切ったといえる。
その中でも元ドラフト1位指名のマーケル・フルツと、高校最高のプレーヤーと評されたコール・アンソニーの2人は中心選手としてチームを牽引した。フルツは怪我で23試合の出場に留まるもシクサーズ時代のシュートスランプから脱却し、平均12.9点、3.1リバウンド、5.4アシスト、1.0スティールとまずまずの成績を残している。また、アンソニーは平均12.9点、4.7リバウンド、4.1アシストとルーキーとして及第点の成績を残した。それ以上にクラッチシュートを決めるなど、1巡目15位にまで落ちた評価を覆すインパクトを残した。
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2021-22シーズン:プレビュー(2021年9月20日時点)
開幕ロスター
r:ルーキー tw:2way契約 ( ):怪我
PG | ジェイレン・サッグス(r) | (マーケル・フルツ) コール・アンソニー マイケル・カーター・ウィリアムズ |
SG | ギャリー・ハリス | RJ・ハンプソン |
SF | テレンス・ロス | フランツ・ワグナー(r) イグナス・ブラズディキス(tw) |
PF | ウェンデル・カーターJr. | (ジョナサン・アイザック) チュマ・オキキ |
C | モー・バンバ | ロビン・ロペス モリッツ・ワグナー |
マーケル・フルツ、コール・アンソニー、ジェイレン・サッグスと有望な若手ガードが多く在籍するマジックは、今後数年は彼らを中心に再建を進めていくことになる。フルツは膝の前十字靱帯断裂で昨シーズンは8試合にしか出場できなかったが元ドラフト1位指名の鱗片をみせた。また、高いポテンシャルとスター性をみせたアンソニーは荒削りでセルフィッシュなプレーが課題だが、安定感が出れば面白い存在となる。
2021年ドラフト5位で指名したサッグスは、NCAAトーナメントでのゴンザガ大の快進撃の立役者となった逸材で、ハンドリングとシュート力が高く、勝負強さとディフェンス力も兼ね備えていることから完成度が高いルーキーといわれている。
ガード以外にも有望な若手が揃っている。
ニコラ・ブーチェビッチとの交換で加入したウェンデル・カーターJr.は22歳と若く、昨シーズンは平均11.2点、8.9リバウンドを記録した。クラシカルなビッグマンで平均ダブルダブルも期待されており、サッグスやフルツらと並行して成長することを期待したいところだ。
ブーチェビッチとゴードンを放出したマジックは、サッグスやフルツを中心にしたチーム再建を模索していくことになる。各ポジションに才能ある若手がおり、育成に定評があるジャマール・モーズリーが新HC就任したこともあり、今後数年は若手育成に注力していくことになるだろう。
注目選手:モー・バンバ

4年目のモー・バンバは、239cmのウイングスパンと高い身体能力を持つ次世代のビッグマンだ。NBA入り後は怪我やコロナ騒動で満足にプレーできていないが、「ドワイト・ハワードになれる逸材」と評されることもあり、昨シーズンは46試合に出場して平均15.8分で8.0点、5.8リバウンド、1.3ブロックを記録している。この数字は36分換算では18.2点、13.2リバウンド、3.2ブロックという数字であり、大成すればオールスター級になる可能性を秘めている。
バンバはまだ23歳と若く、怪我が頻発しなければまだ成長の余地がある。しかし、3Pシュートに逃げる場面やファウルトラブルに巻き込まれることがあり、この点は改善が必要だ。今季はベテランのロビン・ロペスやモー・ヴァグナーとポジション争いをすることになるが、技術面の向上を期待したいところだ。堅実なプレーが計算できるロペスの獲得は、こういった観点もありそうだ。